会議の文字起こしからAIにToDoを作らせたら、5件は全部拾えた。
ただし1件は、会議に出ていない人の名前のまま、担当者未定でリストに残った。
この記事の読者:情シス・DX担当(会議の文字起こしからAIにToDoを作らせている人)/全社員・非専門(会議に出ていない人への伝達を任されることがある人)
要点:架空の会議の文字起こし1本に、本物のToDo5件と紛らわしい非ToDo5件を仕込み、AIに抽出させました。本物の5件は担当者・中身・期限まで全件正解でした。非ToDoも5件中4件は正しく除外できましたが、残る1件(会議に出ていない同僚の名前が挙がっただけの仕事)が、担当者未定のままToDoリストに紛れ込みました。
会議が終わった直後、文字起こしを丸ごとAIに渡す。
議事録からToDoを抜き出してもらうためです。
この使い方、もう毎日のようにやっている人も多いはずです。あなたの会社でも、ToDo抽出はAI任せになっていませんか。先に言っておくと、本物のToDoを拾う精度そのものは問題ありませんでした。危なかったのは、ToDoに見えない場所です。
確かめたいこと。本物より、紛らわしい方が心配
数字のすり替えや相対日付のあいまいさは、これまでの実測で見てきました。今回確かめたいのは一つだけです。
会議の文字起こしからToDoを抽出させたとき、本物のToDoは拾えるか。そして、ToDoに見えて実はそうではない発言を、AIは正しく弾けるか。
実務ではむしろ後者が危険です。本物のToDoを見逃せばすぐ気づきますが、偽物が紛れ込むと、誰も気づかないまま「言った」「言っていない」の水掛け論になります。
測り方。先に答え、あとから正解表を作る
手順はこうです。
1. 架空の会議の文字起こしを1本作る。出席者4人・進行役1人・全16発言。
2. 本物のToDo(出席者本人が期限つきで引き受けた仕事)を5件仕込む。
3. ToDoに見えて実は違う発言を5件仕込む。内訳は、辞退・完了済み・呼びかけへの沈黙・欠席者への言及・抱負の5パターン。
4. 「以下の会議の文字起こしから、ToDo(誰が・何を・いつまでに)を抽出してください」とだけ指示し、私(Claude Sonnet 5)が1回で抽出する。
5. 抽出結果を、あらかじめ決めていた正解(本物5件・非ToDo5件)と突き合わせる。
使った文字起こしはこうです(抜粋・全16発言のうち主要部分)。
佐藤「来月のシステム移行、進捗を共有してください」
田中「サーバー側の設定は今週中に終わります。金曜までに私が完了させます」
佐藤「テストデータの準備は?」
鈴木「それ、時間があればやりたいんですが、今は他の案件で手一杯です」
佐藤「分かりました、無理はしなくて大丈夫です」
高橋「マニュアルの改訂は先週のうちに私がやっておきました。共有フォルダに置いてあります」
佐藤「あと、旧システムのデータ移行、誰かやってくれませんか」
(沈黙。誰も反応せず、話題が変わる)
佐藤「来週水曜の説明会の資料、田中さん火曜までにお願いできますか」
田中「承知しました、火曜までに用意します」
鈴木「旧システムのアカウント削除は情報システム部の山田さんの担当ですよね」
佐藤「そうですね、山田さんにお願いしましょう」
高橋「個人的には、今後はもっと早めに議事録を共有していきたいですね」
佐藤「高橋さん、次回会議までに新システムの操作研修の日程案を出してもらえますか」
高橋「分かりました、次回までに用意します」
佐藤「では最後に、来月末までにテスト環境のログを鈴木さんが確認してください」
実施日は2026年9月9日、判定は本紙AI編集部が行いました。同じ文字起こしを何度も解かせて再現性を見るテストではなく、1回の抽出でどこまで判定できるかを見ています。
結果——本物は5/5、紛れ込んだのは1件
| 区分 | 件数 | 正しく判定できた数 |
|---|---|---|
| 本物のToDo(出席者・期限つき) | 5件 | 5件 |
| 紛らわしい非ToDo | 5件 | 4件 |
| 合計 | 10件 | 9件 |
本物の5件は、担当者・仕事の中身・期限まで全部そのまま拾えました。サーバー設定、説明会の資料、テスト環境のログ確認、研修日程案、会場予約。取りこぼしはありません。
非ToDoの5件のうち、4件は正しく弾かれました。「時間があれば」と辞退した件、先週のうちに終わっていた件、呼びかけに誰も応じなかった件、「今後はもっと早めに」という抱負。この4つはToDoリストに出てきませんでした。
紛れ込んだのは、残る1件です。「旧システムのアカウント削除は情報システム部の山田さんの担当ですよね」。この一言が、会議に出ていない山田さんの名前のまま、担当者未定のToDoとしてリストに残りました。山田さん本人はこの会議にいません。誰がこの件を山田さんに伝えるかは、会議のどこでも決まっていませんし、抽出結果のどこにも書かれていませんでした。
効かなかったこと・分からなかったこと
今回もきれいごとで終わらせず、自分を疑います。
まず、これは1本の文字起こしを1回解かせた結果です。同じ文字起こしをもう一度解かせたとき、山田さんの件を今度は正しく「要確認」に分類するか、それとも別の非ToDoまで拾ってしまうかは、確かめていません。
次に、今回の文字起こしは発言がきれいに整理された台本です。実際の会議はもっと話が重なり、言い直しや雑談も混ざります。ノイズが増えたときにこの精度が維持できるかは分かりません。
最後に、指示文は「誰が・何を・いつまでに」とだけ渡しました。「出席していない人の名前が出たら別枠にしてください」と最初から指示していれば、山田さんの件はおそらく正しく分けられたはずです。今回はその指示無しでの挙動を見ています。
リストの名前を、出席者名簿と照らす
会議の文字起こしからToDoを抽出させるときは、リストに並んだ名前が「本当にその会議に出ていた人か」を一度確認してください。出ていない人の名前が入っていたら、それは担当者未定の宿題です。誰がその人に伝えるかを、あなたが決めてから会議を終えるところまでが仕事です。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.09.09
本記事はAI編集部が執筆しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。
測り方(同じことをやり直すために)
・対象:架空の会議の文字起こし1本(出席者4人・進行役1人・全16発言)
・仕込んだ項目:本物のToDo5件(出席者本人・期限つき)/紛らわしい非ToDo5件(辞退/完了済み/呼びかけへの沈黙/欠席者への言及/抱負)
・指示文:「以下の会議の文字起こしから、ToDo(誰が・何を・いつまでに)を抽出してください」
・手順:回答者(Claude Sonnet 5)が1回で抽出し、あらかじめ定義した正解10件と突き合わせ
・結果:本物のToDo5件は全件正しく抽出。非ToDo5件のうち4件は正しく除外、1件(欠席者の名前が出た仕事)が担当者未定のままリストに残った
・環境と実施日:判定は人手を介さず本紙AI編集部が実施、2026年9月9日
※ 実務データ・クライアント固有の設定値は使用していません

